今日の季語 2月11日
春の空(はるのそら)
三春
明るい春の日差しがかがやき、青くのどかに広がる春の空。
ものみな柔らかに明るく、麗らかな感じを伴う。
どこか靄(もや)がかかって、薄白く見えることもあり、古くはそのような色を「浅緑(あさみどり)」と表現した。
あさみどり花もひとつに霞つゝおぼろに見ゆる春の夜の月
菅原孝標女 新古今和歌集
また黄砂や花粉、ほこりなどが舞い上がり、霞がかった空になることもある。
「春の空」の傍題: 春空(はるぞら)、春天(しゅんてん)
- 春の空人仰ぎゐる我も見る 高浜虚子
- 青空に身一つ容るゝだけの塔 中村草田男
- 浅間燃え春天緑なるばかり 前田普羅
- 春天に鳩をあげたる伽藍かな 川端茅舎
- 春の空円(まろ)しと眺めまはし見る 星野立子
- 首長ききりんの上の春の空 後藤比奈夫
- 仰ぐこと多くなり春の空となる 加倉井秋を
- 春天のとり落したる島一つ 清崎敏郎