今日の季語 2月4日
寒明(かんあけ)、寒明ける
初春
寒は小寒(一月五日ころ)から大寒(一月二十日ころ)の期間で、節分までの約三十日間のことで、「寒明け」は実際には立春と同じであるが、それまで耐えてきた厳しい寒さへ思いを馳せ、寒の期間が終わって一区切りついたという感慨が込められる。
「かんあけ」というきっぱりした音の響きからも、暗い寒の期間と、明るい春のはっきりした区切りが意識される。
寒さの極まる期間が終わったという安堵の気持ちが込められた言葉。
「寒明」の傍題: 寒明け(かんあけ)、寒の明け(かんのあけ)、寒明くる(かんあくる)、寒明ける(かんあける)、寒終る(かんおわる)、寒過ぐ(かんすぐ)、寒過ぎる(かんすぎる)
- 寒明けて点滴の声夜もすがら 藤森成吉
- けものらの耳さんかくに寒明けぬ 三橋鷹女
- 寒明けの臥てあやす子は胸の上 加藤楸邨
- 寒明けや雨が濡らせる小松原 安住敦
- われら一夜大いに飲めば寒明けぬ 石田波郷
- 寒明けの波止場に磨く旅の靴 沢木欣一
- 老農の声の大きく寒明くる 長谷川浪々子
- よき日和つゞきてすらり寒明くる 及川貞
- 寒明けしばかりの坂をのぼるかな 風間啓二