今日の季語 2月7日
金縷梅(まんさく)
初春
まだ寒さの残る山野で木々の新芽も出ないうちに、いち早く黄色の花を咲かせる、早春の花。
二月から三月ごろ、黄色のねじれた細いひも状の四弁花を、枝にびっしり咲かせる。
マンサク科の落葉低木で、日本各地の山地に自生する。
樹高2〜5メートルほどの落葉樹で、庭木としても植えられる。
葉を出す前に、まだ雪の残るころから「まず咲く」ことから、「まんさく」というようになったと言われる。
また、花が枝に満ちるようにたくさん咲くことから、「満作」「万作」と呼ばれたともされる。
花弁が紅色になるアカバナマンサクもある。
「金縷梅」の傍題: 金縷梅の花、金縷梅(きんろばい)、万作(まんさく)、満作(まんさく)、銀縷梅(ぎんろばい)…淡黄色の花を咲かせる種類。
- まんさくや小雪となりし朝の雨 水原秋桜子
- まんさくに滝のねむりのさめにけり 加藤楸邨
- マンサクを夜明けの花と見て居りぬ 中西舗土
- 金縷梅や杣炭焼は祭顔 前田普羅
- まんさくや春の寒さの別れ際 籾山梓月
- まんさくの淡さ雪嶺(ゆきね)にかざし見て 阿部みどり女
- まんさくや町よりつゞく雪の嶺 相馬遷子
- まんさくは煙りのごとし近かよりても 細見綾子
- まんさくに水激しくて村静か 飯田龍太
- まんさくや鯉重なりて山泉 森澄雄
- まんさくの黄のなみなみと暮れにけり 古館曹人
- 金縷梅や太きウエスト笑ひ合ふ 鍵和田秞子
- まんさくや中也詩集の染み一つ 火村卓造
- 金縷梅やシャボン玉吹く兄弟 森本芳枝
- まんさくや沫雪のこる院の谷 羽田岳水
- まんさくや人立ち去れば日と月と 岸本尚毅