今日の季語 2月8日
二月(にがつ)
初春
陽暦二月四日ころに立春を迎え、二月はほぼ初春にあたる。
暦の上では春になったとはいえ、まだ気温は低く、風は冷たく感じる二月。
雪が降ることもあり、大雪に見舞われることもある。

節分草
実際にはまだ寒さの厳しい時期だが、次第に日脚も伸び梅も咲きはじめ、冬から春へ移り変わってゆくのが確実に感じられるころである。
だんだんと日が永くなり、日の光に、木々の芽吹きに、春の兆しを感じることができる時期。
「早春」、「春浅し」と同じころだが、早春は視覚的にも春の兆しを感じ、春浅しはまだ浅いというところに思いがあるのに対し、「二月」は客観的にはっきりとその時期を表す。
「二月」の傍題: 二月早や(にがつはや)
- 雪の上に二月の雨の降りにけり 石原舟月
- 栴檀(せんだん)のほろほろ落る二月かな 正岡子規
- 母思ふ二月の空に頬杖し 長谷川かな女
- 渓橋(たにばし)に見いでし杣(そま)も二月かな 飯田蛇笏
- 切株に鶯とまる二月かな 原石鼎
- 波を追ふ波いそがしき二月かな 久保田万太郎
- 木のひかり二月の畦は壊えやすし 加藤楸邨
- 寡作なる人の二月の畑仕事 能村登四郎
- うすじろくのべたる小田の二月雪 松村蒼石
- 風二月顔よごれきる塞の神 原裕
- 竹林の月の奥より二月来る 飯田龍太
- 潮満つるごとくに二月訃多し 轡田進
- 榛の間に白く小さく二月富士 遠藤梧逸
- 林中に竹生えてゐる二月かな 太田鴻村
- 農夫すぐ消えて二月の桑畑 原教生
- 火の山に雪のちらつく二月かな 藤田哲肖子
- 本買へば砂触りある二月の夜 原田種茅
- 少年がもたれ二月の桜の木 坪内稔典
- 断りの返事すぐ来て二月かな 片山由美子
- 三日月や二月の海の深みどり 椎本才麿