今日の季語 2月13日
早春(そうしゅん)、春早し、春淡し
初春
立春(二月四日ころ)を迎え、暦の上では春になってしばらくの間。
まだ冬の寒さの中にありながらも、万象の中に春のしるしが垣間見えるころ。
春浅しと同じころだが、春の兆しを視覚的にとらえる印象をもつ語である。
まだ風の冷たい中でも、春の日の光を浴びている万象にどこか明るい春のしるしが見えてくる。
「早春」の傍題: 春早し(はるはやし)、春淡し(はるあわし)、春さき
- 早春の庭をめぐりて門を出でず 高浜虚子
- 早春の日のとろとろと水瀬かな 飯田蛇笏
- 早春のくもりいちにち竹の中 長谷川素逝
- 早春に挽く樹のゆるき倒れかな 横光利一
- 早春や室内楽に枯木なほ 石田波郷
- 鹿苑寺早春の風わたり行く 前田普羅
- 何かある早春の水を覗きけり 高橋淡路女
- 橋早春何を提げても未婚の手 長谷川双魚
- あめんぼに早春の水とゞまらず 佐野青陽人
- 早春の真間や木にゐる沼の鳥 有賀辰見
- 早春の夕陽落ちゆく塔の丈 東早苗
- 早春の月の籬(まがき)に乗るごとし 田村木国
- 早春の耳美しき音のみ聴く 池内友次郎