今日の季語 2月16日
菠薐草(ほうれんそう)
初春
菠薐草は寒さに強く、いちばんの旬は一月から二月ころ。
秋に種まきをし、冬から春にかけて収穫する。
葉には切り込みがあり濃い緑色、根元は紅く、多くのビタミンやミネラルを含む。
おひたしや和え物、炒め物などにする。サラダ用のものもある。
収穫前に寒さに当てることを「寒じめ」といい、これをすると葉は凍らないように水分を減らし、糖分や栄養素を溜め込み、葉肉は厚くなる。
また、寒さにより代謝が少なくなり、シュウ酸の含有量は減る。
ちぢみほうれん草を寒じめ栽培したものは、とにかく甘く、葉が肉厚で美味しい。
一月から二月までにしか収穫されないため、今の時期にぜひ食べておきたい食材の一つである。
- まだ寒き茎の赤みやはうれんそ 植蘭
- 斎の膳はうれん草の緑かな 高野素十
- 肥ききて赤きが悲しはうれん草 原田浜人
- 不可もなし可もなし菠薐草甘し 星野麦丘人
- 夫(つま)愛すはうれん草の紅愛す 岡本眸
- はうれん草乳首のごとき根を洗ふ 間宮千江
- 菠薐草茹でて自愛や切なりと 宇多喜代子