今日の季語
冬尽く(ふゆつく)
晩冬
初冬、仲冬、晩冬の三冬が終わること。
三ヶ月続いた長く暗い冬から解放され、明るい春が訪れるというほっとする喜びがある。
「冬の名残(ふゆのなごり)」は、冬を惜しんでいるのではなく、春が来るという喜びの気持ちの中で、未だ残っている冬を見つめていることである。
(写真の花、スノードロップは初春の季語になります。春の草花の季語・白)
「冬尽く」の傍題: 冬終る(ふゆおわる)、冬果つ(ふゆはつ)、冬行く(ふゆゆく)、冬去る(ふゆさる)、冬の名残(ふゆのなごり)、冬の限り(ふゆのかぎり)、冬の別れ(ふゆのわかれ)、冬送る(ふゆおくる)、み冬尽く(みふゆつく)
み冬継ぎ春は来たれど梅の花 君にしあらねば招く人もなし
万葉集 巻十七
- 冬の果蒲団にしづむ夜の疲れ 飯田蛇笏
- 障子あけて部屋のゆとりを冬惜しむ 富田木歩
- 炭窯や冬過ぎて山浅くなりぬ 和地清
- 冬去りぬうぶすなの木に子がのぼり 長谷川双魚
- 日を載せて赤松の冬をはりけり 藤田湘子
- 赤松の根に蟇(ひき)がをり冬了る 原けんじ
- 冬が去る渦瀬に魚のひかるたび 飯田龍太