今日の季語
南天の実(なんてんのみ)
三冬
初夏に白い小さな花が咲く南天は、晩秋から冬の間、丸く小さな赤い実をたくさんつける。
白い雪をかぶった赤い実は鮮やかで美しい。
南天は、「難を転ずる」との意味で縁起物として庭に植えられたり、正月の生け花にも用いられる。
子どもたちが作る雪うさぎの目には、この南天の実が使われる。
「南天の実」の傍題: 白南天(しろなんてん)、実南天(みなんてん)
- 南燭の実や此比(このごろ)の庵の花 大斗
- 日の秋や南天の実の影法師 百桂
- 南天軒を抽(ぬ)けり詩人となりにけり 中村草田男
- 実南天二段に垂れて真赤かな 富安風生
- 南天の早くもつけし実のあまた 中川宋淵
- あるかなし南天の紅竹垣に 瀧井孝作
- 実南天曙楼は古びけり 川端茅舎
- 南天の実に惨たりし日を憶ふ 沢木欣一
- 実南天鴎外生家北向きに 松崎鉄之助