今日の季語 2月20日
春光(しゅんこう)
三春
春の景色、春の様子のこと。
春の日光ではなく、春の美しい眺めのことだが、明るい陽光のかがやかしさの意味をこめて用いることが多い。
もともとは春の風光、光景のことだったが、春のかがやかしい陽光の意味でも用いられるようになった。
春光の「光」は、風光(自然の美しい眺め、景色)、光景(目に映る景色や、物事のありさま)という意味である。
光に照らし出された風景、姿形、色などの意味もある。
やわらかく暖かい春の日差し、日光、光線そのものを指す季語には、春の日、春日差(はるひざし)、春日向(はるひなた)、春の朝日などもあります。
「春光」の傍題: 春色(しゅんしょく)、春の匂(はるのにおい)、春景色(はるげしき)、春容(しゅんよう)、春望(しゅんぼう)、春景(しゅんけい)、春の色(はるのいろ)、春の光(はるのひかり)
鳥の羽に見初る春の光かな 樗良
門を出る人春光の包み去る 高浜虚子
濠(ほり)の水松をうつして春の色 島田青峰
春もやや光りのよどむ宙のさま 飯田蛇笏
春光や蘆にも見えて波一重 原石鼎
春光や遠まなざしの矢大臣 吉岡禅寺洞
暮れかかる雲の端に見し春の色 潁原退蔵
通ひ路の春光ふかき薔薇垣(いばらがき) 西島麦南
磔像の全身春の光あり 阿波野青畝
春光や白髪ふえたる父と会ふ 日野草城
春光や土竜(もぐら)のあげし土もまた 原石鼎
藪の穂の春光こぼれ交しつつ 松本たかし
春光をしづめて蒼き氷河かな 三宅一鳴
目を細め春光の浜一つゞき 清崎敏郎