今日の季語 2月26日
紅梅(こうばい)
初春
紅色の梅の花。
(単に「梅」といえば白梅のことになる。)
白梅より花期がやや遅く、蕊が長く濃艶な趣がある。
白梅には早春の冷ややかさと気品があり、紅梅には暖かさ、艶やかさが感じられる。
「紅梅」の傍題: 未開紅(みかいこう)、薄紅梅(うすこうばい)
紅梅や見ぬ恋つくる玉すだれ 芭蕉
紅梅や比良の高ねに雨の雲 蕪村
紅梅や亡き娘の部屋の小窓より 阿部みどり女
紅梅の月の絹暈(かさ)着る夜かな 松本たかし
母好みし紅梅昏れて忌日暮る 大野林火
紅梅にふはとかかりぬ昼の月 中勘助
伊豆の海や紅梅の上に波ながれ 水原秋櫻子
紅梅を去るや不幸に真向ひて 西東三鬼
紅梅と故人の如く対しけり 富安風生
瑠璃天は固(もと)より照らふ紅梅も 日野草城
紅梅の見えるところの玻璃くもり 能村登四郎
人影も雪間十歩の紅梅花 石原八束
剪(き)りて置く紅梅一枝(し)片袖めく 野澤節子
紅梅に靄(もや)立つことを夕べかな 草間時彦
紅梅や影にも音のつきまとふ 藤田湘子