雪の季語・時候、行事、動物、植物

雪の中のツグミと雀
雪に関する季語、最後は時候、行事、動物、植物に分類されている季語を集めました。

直接雪を指す言葉ではなく、「雪の時期の」などという意味合いの言葉が多いですね。

「雪」のつくこれらの言葉の数々に出会ったら、ぜひ俳句に詠んでみてください。

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時候

雪待月、雪見月

仲冬
冬の季語「霜月」の傍題で、陰暦十一月の異称。

同じく陰暦十一月の異称には、次のものがあります。

霜月、建子月(けんしげつ)、黄鐘(おうしょう、こうしょう)、神楽月、葭月(かげつ、イネ科の植物「ヨシ」の意味)、神帰月(かみきづき)、広寒(こうかん)、朔易(さくえき)、三至(さんし)、子月(しげつ)、霜降月(しもふりづき)、霜見月(しもみづき)、周正(しゅうしょう)、章月(しょうげつ)、達月(たつげつ)、短至(たんし)、暢月(ちょうげつ)、露隠端月(つゆこもりのはづき)、天正月(てんしょうづき)、天泉(てんせん)、復月(ふくげつ)、陽復(ようふく)、竜潜月(りゅうせんづき)、仲冬、盛冬(せいとう)、正冬(せいとう)、冬半(とうはん)

(同じく「霜月」の傍題)
神楽月(かぐらづき)、神帰月(しんきづき)、子の月(ねのつき)

行事

雪山(ゆきやま)

晩冬
宮中や貴族の邸宅の庭で、雪で蓬莱山に見立てた山を作った。

蓬莱山とは、中国の神仙思想にある三神山の一つで、不老不死の薬を持つ仙人が住んでいるとされた山。
日本に伝わり、富士山、熊野山などの霊山、仙境、また熱田神宮の呼び名となった。

冬の地理の季語にも「冬の山」の傍題で「雪山」があります。

けふ雪の山作らせたまはぬ所なむなき。御前の壺にも作らせたまへり。春宮にも弘徽殿にも作られたりつ。京極殿にも作らせたまへりけり、などいへば、ここにのみめづらしと見る雪の山ところどころにふりにけるかな

枕草子 八十三段

雪の山

雪安居(ゆきあんご)

三冬
冬の季語「冬安居(ふゆあんご)」の傍題。
陰暦十月一日から一月十五日まで、僧たちが一堂に籠って、坐禅、講義、問答など仏道の修行をすること。

夏に行うのが夏安居または雨安居といい、冬の安居を冬安居または雪安居という。

  • 華頂山薄雪したる安居かな 田中王城

動物

雪兎(ゆきうさぎ)

三冬
白うさぎ
冬の季語「兎」の傍題。
冬に白い毛に生え変わる、北方のうさぎ。

日本では北海道に生息している。

冬の生活の季語にも、雪で作ったうさぎを意味する「雪兎」があります。
  • 雪原の一兎雪原の先に出づ 高田貴霜

雪の犬

三冬
雪とゴールデンレトリーバー
冬の季語「寒犬(かんけん)」の傍題。
寒犬は寒中の犬のことで、雪の中の犬を雪の犬という。

犬は寒さに強い種が多く、雪の上でも元気に走り回る。

(同じく「寒犬」の傍題)
冬の犬
  • 森抜けてころげんばかりの雪の犬 廣瀬町子

雪鳥(ゆきどり)

晩冬
雪の中のスズメ
雪の中にいる野鳥たち。
雪が積もると、木の実や草の実などの食物をとるのが難しくなってくる。

また、水浴びの代わりに雪浴びをすることもある。

凍鳥(いてどり)、かじけ鳥

雪虫(ゆきむし)、雪螢(ゆきぼたる)、雪婆(ゆきばんば)

初冬
雪虫
冬の季語「綿虫」の傍題。
アブラムシの一種で、白い綿のような分泌物を出し、綿に包まれたように見える。

初雪の頃に出現するので、雪虫と呼ばれる。

(同じく「綿虫」の傍題)
白粉婆(しろこばば)、大綿虫、大綿
  • 窖(あな)ちかく雪虫まふやのべおくり 飯田蛇笏
  • 綿虫を齢(よはひ)の中にみつゝあり 能村登四郎
  • 綿虫に遠き町越え夕日くる 西村公鳳

植物

雪折(ゆきおれ)

晩冬
雪折れ
積もった雪の重みで枝や幹が折れること。

松に雪
常緑樹の松などは枝が混み合っていて葉も落ちず、雪が積もりやすく折れやすい。
庭園や公園、庭などの松には雪吊りをしている光景が見られる。

竹も雪折れしやすく、夜にその音を立てることもある。

  • 雪折れも聞えてくらき夜なるかな 蕪村
  • 雪折の竹かぶさりぬ滑川(なめりがわ) 高浜虚子
  • 雪折の巨木悼みて老二人 石島雉子郎

雪見草(ゆきみぐさ)

三冬
菊に雪
冬の季語「冬菊」の傍題で、古歌にはこの雪見草、初見草などの雅名で詠んでいるものもある。
冬、雪が降っても残っている遅咲きの菊。

(同じく「冬菊」の傍題)
冬の菊、霜の菊、初見草、霜見草、秋無草、のこり草
  • 物かはり移ろふ星や冬の菊 宗因
  • 明残る星か雲井の冬の菊 素外
  • 冬菊のまとふはおのがひかりのみ 水原秋桜子

雪菜(ゆきな)

三冬

仙台の雪菜

仙台の雪菜

冬の季語「冬菜」の傍題。
雪の中で栽培する葉菜類。

米沢の雪菜、仙台の雪菜がある。

(同じく冬菜の傍題)
葉菜、かぶ菜、菘(すずな)、蔓菁(あおな)、まつ菜、唐菜、漬菜、ゆで菜、三河島菜、油菜、小松菜、体菜、杓子菜、匙菜、布袋菜、広島菜、鰹菜、信夫菜、冬菜、野沢菜、稲核菜、おはづけ、田口菜、すいぐき菜、日野菜(緋の菜)、冬菜畑、冬菜飯、冬菜売、菜洗う、菜屑
  • 雪の冬菜男鍬ついて立てりける 杉風
  • 猫いまは冬菜畑を歩きをり 高浜虚子
  • 縫ひ疲れ冬菜の色に慰む目 杉田久女
  • しみじみと日のさしぬける冬菜かな 久保田万太郎

雪割茸(ゆきわりたけ)

初冬
晩秋から初冬にかけて、雪の中で広葉樹の切り株などに発生するエノキダケやなめこの総称。
最近では、エノキダケに似ていて茶色で長さのある品種の名前にもなっている。

雪茸(ゆきたけ)、雪下茸(ゆきのした)、雪の下、ゆきやり
  • 雪割茸男の大き手を濡らす 殿村菟絲子

雪海苔

晩冬
冬の季語「黒海苔(くろのり)」の傍題。
甘海苔類の代表種である浅草海苔の一種で、色が黒い。

寒中に採取するので雪海苔ともいう。

  • 振売の黒岩海苔や雪のせし 川端鶸子
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