今日の季語「下萌」 | 季語とこよみ

今日の季語「下萌」

草の芽
今日の季語、三月五日は「下萌」をお届けします。

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今日の季語 3月5日

下萌(したもえ)

初春
冬枯れの地面から、春になってさまざまな草の芽が生え出てくる様子。

「草萌(くさもえ)」は、草の芽が出て、地上に緑が広がってゆくさま。

「下萌」は古く和歌では、ひそかに思い焦がれるという意味で用いられた。

春日野の下萌えわたる草の上につれなく見ゆる春の泡雪

源国信

春日野の草葉はやくと見えなくに下もえわたる春の早蕨(さわらび)

藤原公実

草の発芽
長く寒かった冬を越え、まだ寒さの残る早春に、庭や道端、空き地などの地面から萌え出た小さい草の芽を見いだすことができる。

「下萌」の傍題: 萌(もえ)、草萌(くさもえ)

下萌えもいまだ那須野の寒さかな 惟然
下萌や土の裂け目のものの色 太祇
下萌やつき下したる舟の跡 蘆泊
下萌や土かく鶏の蹴爪より 嘯山
下萌の大盤石(ばんじゃく)をもたげたる 高浜虚子

街の音とぎれる間あり草萠ゆる 中村汀女
柴焼いて下萌の風起りけり 室生犀星
下萌ゆと思ひそめたる一日かな 松本たかし
みこまれて癌と暮しぬ草萠ゆる 石川桂郎
下萌やふなべり洗ふ縄箒(なはぼうき) 永井東門居

下萌えぬ人間それに従ひぬ 星野立子
草千里下萌えにはや牛放つ 里川水章
草萌や並び坐るに足らぬほど 林翔
下萌の病者急(せ)くもの何もなし 目迫秩父
下萌えて農夫のタオル腰に白し 西村公鳳
草萌ゆる誰かに煮炊まかせたし 及川貞

この記事を書いた人
こよみ

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