梅雨の季語(夏)

雨のしずく
六月になると梅雨前線が日本に近づき、南から梅雨入り宣言が聞かれるようになります。

一面灰色に曇った空、長く降り続く雨・・・

紫陽花や菖蒲は青、紫、ピンクなどの花を咲かせ、雨が大好きな雨蛙やかたつむりは元気に活動します。

梅雨の後半には雷鳴を伴うことも多くなり、梅雨明けとなり、本格的な夏の到来を迎えます。

今回は梅雨に関する季語を集めました。

梅雨にまつわるさまざまなこれらの季語で、ぜひ俳句を詠んでみてくださいね。

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時候

入梅(にゅうばい)

仲夏
紫陽花
梅雨に入ることで、年によって日にちは異なる。
梅雨入りははっきりしないので、薄曇り細々とした雨が降る日が重なって、いつしか梅雨入りとなっていることも多い。

対して梅雨明けは雷鳴を伴い、その後快晴になりはっきりとわかる場合が多い。

梅雨入り、梅雨明けともに気象庁により発表される。

古暦の雑節の「入梅」は立春から127日目、6月の11、12日頃にあたり、その後の30日間が梅雨になる。農作業の目安として用いられた。

梅雨に入る(つゆにいる)、梅雨入り、梅雨はじまる、梅雨の気配
  • 焚火してもてなされたるついりかな 白雄
  • 桑の木に桑茸生ふるついりかな 西山泊雲
  • 世を隔て人を隔てゝ梅雨に入る 高野素十
  • 樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ 日野草城

梅雨寒(つゆさむ)

仲夏
冷たい雨
梅雨の頃に低温になること。
梅雨の時期には時折、北からのオホーツク海気団の勢力が強くなり、気温が下がり冷雨となる。

梅雨寒が続くと、冷害を引き起こすこともある。

梅雨寒し(つゆさむし)、梅雨冷(つゆびえ)、寒き梅雨
  • とびからす病者に啼いて梅雨寒し 石橋秀野
  • 梅雨冷や崖田にねまる出羽の山 角川源義
  • よるべなう螻蛄(けら)も水掻く梅雨寒き 金尾梅の門
  • しみじみと見て梅雨寒の田の面かな 牧瀬蟬之助

梅雨明(つゆあけ)

晩夏
青空と太陽
日本全土を蔽っていた梅雨前線も、次第に北上して沖縄から梅雨明けとなる。
気象庁では梅雨明け宣言が出される。

梅雨明け前には、多く雷鳴を伴った豪雨がある。

農作業の目安として用いられた古暦の上では、入梅(6月11、12日)の後30日で梅雨明け(7月11、12日)とされた。

梅雨あがる、梅雨のあと
  • 山の上に梅雨あけの月出でにけり 岡本癖三酔
  • 梅雨明けぬ猫が先づ木に駈け登る 相生垣瓜人
  • 梅雨明けをよろこぶ蝶の後をゆく 杉山岳陽
  • 庭石に梅雨明けの雷ひびきけり 桂信子

天文

梅雨空(つゆぞら)

仲夏
曇り空
梅雨の空一面、灰色の雨雲におおわれている空模様のこと。

梅雨の空、梅天(ばいてん)、五月空(さつきぞら)
  • 梅雨空の月あるらしき雲明り 五百木瓢亭
  • 梅天の蝶影となり羽となり 高木晴子
  • 梅雨空に常より早くマストの灯 遠藤ゆきあき

梅雨の月(つゆのつき)

仲夏
雲間の月
梅雨の時期に出る月。
晴れて明るい月の見える時もあれば、曇っていてぼんやりとした明かりが見える時もある。

梅雨時の、雨気のこもった空の月である。

  • 樅の芽を花とは見せつ梅雨の月 水原秋桜子
  • わが庭に椎の闇あり梅雨の月 山口青邨
  • 梅雨の月障子あければなかりけり 岡田耿陽
  • 翡翠に梅雨月ひかりはじめけり 飯田龍太
  • 梅雨の月雲脱ぎ捨てゝなほ淡し 西谷しづ子
  • 乾坤の闇一痕の梅雨の月 福田蓼汀

梅雨の星(つゆのほし)

仲夏
雲間の星
梅雨の夜空の雲間から見える星。
雲間からもれるように星の光が見えることもあれば、晴れ上がった梅雨空に見えることもある。

雨雲にずっとおおわれている時期なので、星が見えた時の感慨も深まる。

傍題の麦星、麦熟れ星とは、うしかい座の一等星アークトゥルスのことで、「さみだれぼし」などの和名を持つ。
うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラで、春の大三角を形成している。

麦星(むぎぼし)、麦熟れ星(むぎうれぼし)
  • むささびや杉にともれる梅雨の星 水原秋櫻子
  • 梅雨の星闇へピンセットで飾る 若木一朗
  • ドラセナの葉の隙洩るる梅雨の星 小林謙光

黒南風(くろはえ)

仲夏
荒れた海
「はえ」とは南風のことで、梅雨の時期に、暗い梅雨空を吹く南風のことを「黒南風(くろはえ)」という。

伊豆・鳥羽地方の船詞(ふなことば)でもある。
また、梅雨半ばの強い南風を「荒南風(あらはえ)」という。

くろばえ、荒南風(あらはえ)
  • 和歌の浦あら南風鳶を雲にせり 飯田蛇笏
  • 黒南風に水汲み入るゝ戸口かな 原石鼎
  • 黒ばえの宇治の山裾鷺渡る 野村泊月
梅雨が明けてからの南風を白南風(しろはえ)といいます。

ながし

仲夏
梅雨の頃に吹く南風のことで、「ながし南風」ともいい、九州地方では梅雨そのものにもいう。
湿気が多く蒸し暑い。

ながし南風(ながしはえ)
  • 葦咲いて蜑(あま)の通い路ながし吹く 飯田蛇笏
  • 瀬田川の舟出はらへるながしかな 織田烏不関

走り梅雨(はしりづゆ)

初夏
てんとう虫と雨粒
本格的に梅雨入りする前の5月末頃に、梅雨のようなぐずついた雨模様になること。

前梅雨(まえづゆ)、迎え梅雨(むかえづゆ)、梅雨の走り
  • 書架の書の一つ逆しまはしり梅雨 林翔
  • 走り梅雨古表札のまづ濡れて 小林清之介
  • 五位鷺の声したたるや走梅雨 市村究一郎
  • 擂鉢に胡麻の残り香走り梅雨 児玉輝代

梅雨(つゆ)

仲夏
木に雨
毎年6月ごろに、曇りや雨が一ヶ月ほど続く期間のこと。梅雨前線によってもたらされる。

梅の実が黄熟する頃に降るので梅雨(ばいう)といい、黴が生えやすくなるために黴雨(ばいう)とも書く。

梅雨(ばいう)、黴雨(ばいう)、梅雨前線(ばいうぜんせん)、梅雨時(つゆどき)、梅雨寒(つゆさむ)、梅雨冷(つゆびえ)、青梅雨(あおつゆ)、黄梅雨(きづゆ…夏至の前に降る雨)ついり、梅霖(ばいりん)、梅の雨、梅雨空(つゆぞら)、梅天(ばいてん)、五月空(さつきぞら)、梅雨雲(つゆぐも)、五月雲(さつきぐも)、梅雨曇(つゆぐもり)、五月曇(さつきぐもり)、荒梅雨(あらづゆ)、空梅雨(からつゆ)、旱梅雨(ひでりつゆ)

雨靴と傘

筍梅雨(たけのこづゆ)、筍黴雨(たけのこづゆ)は「筍流し(たけのこながし)」の傍題で、筍の生える頃に吹く湿った南風のことです。
  • 菖蒲酢もまじるや軒の梅の雨 貞徳
  • 降音や耳もすふ成梅の雨 芭蕉
  • 夕立のかしら入れたる梅雨かな 丈草
  • 荒梅雨や山家の煙這ひまはる 前田普羅
  • 万華鏡めきて尾燈や梅雨の街 阿波野青畝
  • 梅雨とべり寺の大屋根うち煙り 高浜年尾
  • さよならと梅雨の車窓に指で書く 長谷川素逝

青梅雨(あおつゆ)

仲夏
青葉に雨
新緑に降る梅雨。
梅雨に濡れた新緑の青々しさが一層感じられる言葉である。

  • 青梅雨の雲しりぞけつ白鷺城 水原秋櫻子
  • 青梅雨や幾千の鷺子を守る 島村元
  • 青梅雨の墓場を通らねばならぬ 岡部弾丸

空梅雨(からつゆ)

仲夏
乾いてひび割れた地面
梅雨の時期に雨がほとんど降らないこと。
梅雨前線がはるか南に停滞したり、早めに北上してしまったりして夏が来ると空梅雨になる。

旱梅雨(ひでりつゆ)ともいい、田植えの時期に田が干からびてしまったり、野菜が枯れたりなどの害を及ぼすこともある。

涸梅雨(かれつゆ)、旱梅雨(ひでりつゆ)、乾梅雨(からつゆ)
  • 空梅雨に秋めく風や萩の上 籾山梓月
  • 空梅雨の日輪病みて鶏鳴けり 高橋淡路女
  • 空梅雨の月煌々とかなしけれ 深見けん二

五月雨(さみだれ)

仲夏
枝に雨
六月(陰暦の五月)に降る長雨のことで、梅雨と同じ。

梅雨が主にその時期を指すのに対し、五月雨は雨そのものを指す言葉である。

五月雨(さつきあめ)、さみだるる、五月雨雲(さみだれぐも)、五月雨傘(さみだれがさ)
  • 五月雨や天下一枚うち曇り 宗因
  • 五月雨の降りのこしてや光堂 芭蕉
  • 五月雨をあつめて早し最上川 芭蕉
  • 空も地もひとつになりぬ五月雨 杉風
  • うきくさも沈むばかりよ五月雨 蕪村
  • 五月雨や田中に動く人一人 蓼太
  • 五月雨の夜は音もせで明にけり 几董
  • 五月雨や十里の杉の梢より 大谷句仏
  • のみさしの茶の冷たさよ五月雨 高村光太郎
  • さみだれのさゞなみ明り松の花 渡辺水巴

送り梅雨(おくりづゆ)

晩夏
窓の雨
梅雨が明けるころになって、強い雨が降ること。
梅雨を送り出すような雨で、雷鳴を伴うこともある。

梅雨が明けたころにまた梅雨の雨が戻ることを、返り梅雨、戻り梅雨という。

返り梅雨(かえりづゆ)、戻り梅雨(もどりづゆ)
  • 塩浜の夕べ明りや送り梅雨 岡本圭岳
  • 七月の面暗しや返り梅雨 石塚友二
  • 鐘撞いて僧が傘さす送り梅雨 森澄雄

薬降る(くすりふる)

仲夏
草に雫
陰暦5月5日を薬日といい、この日の午の刻(正午前後2時間)に降る雨のことをいう。

竹の節にたまった水は神水で薬効があると伝えられ、竹の筒に雨水をためたもので薬を溶くのに用いられた。
また、この日に雨が降ると、よく年は五穀豊穣と言われた。

神水(しんすい)
  • くすり降るよと手に額にうけとむる 塩崎緑
  • 目のとどくかぎり津の国薬降る 宇多喜代子
  • 薬降る宇陀の安騎野は佳き香せり 大石悦子

虎が雨(とらがあめ)

仲夏
雨の波紋
陰暦5月28日は曽我兄弟が討たれた日で、この日に降る雨のことを虎が雨という。
兄の十郎祐成の愛人で大磯の遊女、虎御前の涙が雨になったと言い伝えられている。

虎が涙雨(とらがなみだあめ)、曽我の雨(そがのあめ)
  • 草子見て涙たらすや虎が雨 路通
  • 虎が雨晴れて小磯の夕日かな 内藤鳴雪
  • ひとたびの虹のあとより虎が雨 阿波野青畝

虹(にじ)

三夏
二重虹
雨後の大気中の細かい水滴に太陽光が当たると、スペクトルである7色に分かれて虹が現れる。
夏の夕立の後に現れることが多いので、夏の季語となった。

虹の外側にもう一つ、副虹が見えることもあり、二重虹(ふたえにじ)という。

二重虹(ふたえにじ)、朝虹(あさにじ)、夕虹(ゆうにじ)、虹の輪(にじのわ)、虹の橋(にじのはし)、虹の帯(にじのおび)、虹の梁(にじのはり)
  • 虹立ちて忽ち君の在る如し 高浜虚子
  • 虹消えて忽ち君の無き如し 高浜虚子
  • 虹の環の大きしづけさ湖底より 山口素堂
  • 水平線の虹が捧ぐる朝の空 沢木欣一

梅雨雷(つゆかみなり)

仲夏
雷光
梅雨の頃に鳴る雷のこと。
梅雨の終わりに多いが、梅雨の期間中の雷すべてを梅雨雷と称する。

梅雨の雷(つゆのらい)
  • 正直に梅雨雷の一つかな 一茶
  • 梅雨の雷いま脳天を渡りくる 石川桂郎
  • 梅雨の雷黴くさき廊うちひゞき 加藤楸邨

梅雨曇(つゆぐもり)

仲夏
曇り空
梅雨時の曇り。
空一面梅雨の雲におおわれ、今にも雨が降りそうな状態。

ついり曇(ついりぐもり)、梅雨雲(つゆぐも)
  • 小鴉の餌ふふむ声や梅雨曇 大谷句仏
  • 荒海も今日は静かに梅雨ぐもり 池内たけし
  • 絹機の管つや光る梅雨曇 石昌子

梅雨晴(つゆばれ)

仲夏
てるてる坊主
梅雨の晴れ間、梅雨の中休みといわれるように、梅雨の最中の晴天のこと。
雨の季節の晴れ間を喜ぶ気持ちが込められている。

本来は梅雨が明けて晴天が続くようになったことをいう言葉であった。

梅雨晴間(つゆはれま)、梅雨の晴(つゆのはれ)、梅雨晴る(つゆはる)
  • 入梅晴れや二軒並んで煤払ひ 一茶
  • 梅雨晴や小村ありける峠口 水原秋櫻子
  • 建てましのそこだけ夕日梅雨晴るゝ 永井東門居
  • 師の浅間梅雨晴間得て見に出づる 富安風生

五月晴(さつきばれ)

仲夏
日傘の女性、アジサイ
五月を「さつき」と読む場合は陰暦の五月を指すので、梅雨の季節の晴れ間を指す言葉であった。

今では梅雨前の陽暦五月の清々しい晴れに使われることも多く、そのまま定着している。
その場合、「ごがつばれ」とも読む。

俳句では元の意味で使われることが多い。

  • 朝虹は伊吹に凄し五月晴れ 麦水
  • 抱きおこす葵の花やさ月ばれ 蝶夢
  • うれしさや小草影もつ五月晴 正岡子規
  • 倒さ富士まこと湖にあり五月晴 赤星水竹居
  • 五月晴置けるが如き土手の家 藤田耕雪

地理

梅雨穴(つゆあな)

仲夏
梅雨の頃、降り続いた雨によって地面が陥没し、そこから水が噴き出したりすること。
地盤の緩いところや、湿潤の地で多く起こる、梅雨の災害の一つである。

墜栗花穴(ついりあな)
  • わが掘りて梅雨穴ともなし置けり 相生垣瓜人

井水増す(いみずます)

仲夏
梅雨に降り続く雨のために井戸水が増し、濁りを帯びて見えること。

濁り井(にごりい)

五月川(さつきがわ)

仲夏
川の増水
五月雨の降り続く梅雨に、水量が増した川のこと。

  • 五月川心細く水まさりたる 正岡子規
  • はるかより見えて足下を五月川 樋口清紫

出水(でみず)

仲夏
川の濁流
梅雨時の大雨や集中豪雨により、河川が氾濫すること。

なお、秋の台風による出水は秋出水という。

夏出水(なつでみず)、梅雨出水(つゆでみず)、出水川(でみずがわ)、水害(すいがい)
  • 田の上を小舟行くなり梅雨出水 青木月斗
  • 出水や牛引出づる真暗闇 村上鬼城
  • 出水して森の奥なる月明り 中川宗淵
  • 草のさき出て吹かるる梅雨出水 山上樹実雄
  • 線路一つ出水の街を区切りけり 前田野生子

皐月波(さつきなみ)

仲夏
陰暦5月ころの海に立つ波のこと。
梅雨に入っており、荒南風(あらはえ)という強い南風により、海は荒れることが多い。

五月波(さつきなみ)

生活

夏合羽(なつがっぱ)

三夏
江戸時代に、夏の雨降りの時に着た一重の合羽のこと。
葛布や芭蕉布で作られ、のちに川越平が用いられ、富裕な町人の男性専用の雨具であった。

蒼朮を焼く(そうじゅつをやく)

仲夏

ホソバオケラ

ホソバオケラ。根茎を乾燥したものを用いる

薬用植物のおけら(うけら)の根茎を乾燥したものを蒼朮といい、梅雨の時季にこれを焼いて、室内の湿気を払った。

うけら焼く、おけら焼く、蒼朮を焚く(そうじゅつをたく)
  • をけら焚く香にもなれつつ五月雨 居然
  • 蒼朮を焚きひそやかにすまひけり 清原枴童
  • 蒼朮はけむりと灰になりにけり 阿波野青畝

水見舞(みずみまい)

仲夏
水害
洪水や浸水などの水害にあった知人を見舞うこと。
また被害のあるなしにかかわらず、安否を問い合わせたりすることも含める。

神水(しんすい)

仲夏

陰暦5月5日の午の刻に降った雨水が竹の節にたまったもの。
薬効があると伝えられた。

しんずい、神水取る(しんずいとる)、竹の神水(たけのたまりみず)

川止め(かわどめ)

晩夏
川の氾濫
昔は出水によって川越えが危険な状況の時、その川を渡ることが禁じられることを川止めといった。
梅雨時に最も多いため、夏の季語となっている。

川づかえ、川どまり
  • 川止やつれづれに呼ぶ琵琶法師 伊藤松宇

動物

雨蛙(あまがえる)

三夏
アマガエル
雨が降り出すとよく鳴き始めるのでこの名がついた。
3cmほどの小さい蛙で、ふつうは緑色をしているが、周りの色にあわせて褐色になることもある。

足先の吸盤で枝に吸い付いているところから、枝蛙(えだかわず)ともいう。

青蛙(あおがえる)、枝蛙(えだかわず)
  • 村雨に出づるや須磨のあま蛙 信徳
  • 雨蛙黒き仏の宙に鳴く 山口誓子
  • 朴の葉にころがる雨や枝蛙 木津柳芽
  • 青蛙鳴くや晴天湿りだす 田中鬼骨

蝸牛(かたつむり)

三夏
かたつむり
らせん状の殻を負い、頭に長短二対の触覚があり伸縮する陸生の巻貝。
童謡に唄われていることもあり、人々に親しまれている。
湿気を好むので梅雨に盛んに発生する。

かたつむり、かたつぶり、ででむし、でんでん虫、まいまい
  • 文七にふまるな庭のかたつぶり 其角
  • 白露や角に目を持つかたつぶり 嵐雪
  • ころころと笹こけ落ちし蝸牛 杉風
  • やさしさは殻透くばかり蝸牛 山口誓子
  • かたつむり日月遠くねむりたる 木下夕爾
  • 花の香へ蝸牛角伸し殻も揺り 香西照雄

植物

紫陽花(あじさい)

仲夏
アジサイ
梅雨の期間に咲く紫陽花は、色が徐々に変化することから七変化とも呼ばれる。
日本原産のガクアジサイの園芸種。

花びらのように見えるのは萼で、中心に小さな花がある。

あずさい、手毬花(てまりばな)、四葩の花(よひらのはな)、七変化(しちへんげ)、八仙花(はっせんか)、かたしろぐさ、刺繍花(ししゅうばな)、瓊花(たまばな)
  • あぢさゐや澄み切ってある淵の上 蒼虬
  • 紫陽花やはなだにかはるきのうけふ 正岡子規
  • 紫陽花や白よりいでし浅みどり 渡辺水巴
  • 水暗しあぢさゐの花映り澄む 野村泊月
  • 紫陽花の浅黄のまゝの月夜かな 鈴木花蓑
  • あぢさゐの藍をつくして了りけり 安住敦
  • あぢさゐのどの花となく雫かな 岩井英雅
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