冬の食べ物の季語・お酒、飲み物、菓子

温かいお茶とキャンドル

寒い冬には温かいお酒や飲み物で体を温めたいですね。
お酒も飲み物もたくさんのバリエーションがありますので、温かい飲み物でほっこりする時を楽しんでください。

また、昔ながらの甘味の季語も集めてみました。
こたつで家族と一緒に食べる鯛焼…懐かしい思い出とともに、心も温かくなったらぜひ一句詠んでみてください。

冬の食べ物の季語一覧
鍋、汁物麺類、煮物、焼き物

海の幸

米、餅

大豆、芋、漬物、玉子、加工品

お酒、飲み物、菓子(このページです)

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お酒

寒造(かんづくり)

晩冬造り酒屋

日本酒の仕込み方の一つで、寒中の水で醸造した酒のこと。
低温の環境でゆっくり酵母を発酵させて造る寒造は味わいもよく、長く貯蔵できる。

寒造酒(かんづくりざけ)
  • 並蔵はひびきの灘や寒作り 其角
  • 碓(からうす)の十挺(ちょう)だてや寒づくり 召波
  • 白水の川の出来たと寒造り 一茶

熱燗(あつかん)

三冬熱燗つける

酒を加熱したもの。とくに燗を利かした酒をいう。

酒自体を加熱するのであって、お湯を加える場合はお湯割りという。
おもに冬に体を温めるために行う。

熱湯に銚子をつける方法のほか、銚釐(ちろり)という銅や真鍮製の筒型で下の方がやや細くなっている器で、注ぎ口と取っ手のある器具で温めることもある。

燗酒(かんざけ)、焼燗(やきかん)

鰭酒(ひれざけ)

三冬フグのひれ酒

干したフグのひれをあぶって、焦がし気味に飴色にあぶり焼いたものを、熱燗に入れたもの。
蓋をして香りを酒にうつし、独特の風味を味わう。

酒に火をつけてアルコールを飛ばす飲み方もある。
フグのひれのかわりに、ふぐ刺しの一片を入れたのを身酒(みざけ)という。

身酒(みざけ)

玉子酒(たまござけ)

三冬

溶いた卵に砂糖を加えてなめらかになるまで混ぜ、温めた日本酒を少しずつ入たもの。
風邪に良いとされる。

卵酒(たまござけ)
  • いざ一杯まだきににゆる玉子酒 蕪村
  • 親も子も酔へば寝る気よ卵酒 太祇
  • かりに着る女の羽織玉子酒 高浜虚子
  • 我背子の来べき宵なり玉子酒 尾崎紅葉

生姜酒(しょうがざけ)

三冬

生姜のすりおろしを熱燗に入れたもの。砂糖やはちみつを加えても。
風邪に効果があるとされる。

  • 圭角(けいかく)を以て聞えぬ生姜酒 高田蝶衣
  • 月旦(げったん)を草する燈下生姜酒 高田蝶衣

霰酒(あられざけ)

三冬

奈良の名産で、起源は慶長年間、猿沢池に霰が降って浮いては沈んでゆくのを見て作られたといわれている。

薄切りにした餅に焼酎を塗って乾かす工程を繰り返したものを、細かいあられにして、本みりんに入れて密封、熟成させたもの。

もち米の麹を酒に浮かべたものもある。
霙酒ともいう。

霙酒(みぞれざけ)
  • 夜光る玉もしかめやあられざけ 季吟
  • 徳利もやふればおとする霰酒 耻布尼
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松葉酒(まつばざけ)

三冬

松の新芽を用いて作った酒。
焼酎に松葉と砂糖を入れ、半年ほど漬け込んで作る。

昔は刻んだ松の葉を砂糖水に入れて、日に当てて発酵させて作った。

糟湯酒(かすゆざけ)

三冬

酒粕をお湯に溶かした飲み物。
貧しい庶民の飲み物であった。

風雑(まじ)へ 雨降る夜の 雨雑へ 雪降る夜は 術もなく 寒くしあれば 堅塩を 取りづづしろひ 糟湯酒 うち啜ろひて

貧窮問答歌 万葉集巻五 山上憶良

寝酒(ねざけ)

三冬

夜も更けて、眠るために就寝直前に飲む酒。

飲み物

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ホットドリンクス

三冬

ホットワイン

ホットワイン

温かい飲み物一般。
寒い時に体をあたためてくれる飲み物は、冬の季語となっている。

ホットレモン

ホットレモン

ホットウイスキー、ホットワイン、ホットレモン

葛湯(くずゆ)

三冬

葛粉に砂糖を入れ水で溶いて鍋を火にかけ、とろみが出て透明になるまで温める。
体を温め、滋養があるので風邪の時や病み上がりの食べ物として用いられる。

抹茶や生姜、ゆず、あずき、あられ入りなど様々な食べ方がある。
本葛粉で作られるのは少なく、馬鈴薯でんぷんなどが多く用いられている。

  • うすめても花の匂の葛湯かな 渡辺水巴
  • 風落ちて月現るる葛湯かな 前田普羅
  • わが息のかゝりて冷めし葛湯かな 萩原麦草

生姜湯(しょうがゆ)

三冬生姜湯

すりおろした生姜に砂糖やはちみつを加え、お湯で溶いた飲み物。
柑橘の皮のすりおろしを加えて風味をつけたものもある。

  • 生姜湯に顔しかめけり風邪の神 高浜虚子

菓子

蒸饅頭(むしまんじゅう)

三冬蒸し饅頭

蒸して作る饅頭のことで、様々な種類がある。
饅頭はもともと中国から伝わり、茶菓子として発達した。

中国では肉まんが多いが、日本の仏教で肉食が禁じられていたこともあり、日本では小豆の餡を使ったものが多くなった。
また皮や中身が工夫され、米饅頭、菜饅頭、そば饅頭、くず饅頭などができた。

酒饅頭

酒饅頭

酒饅頭(さかまんじゅう)、甘酒饅頭(あまざけまんじゅう)、肉饅頭(にくまんじゅう)

今川焼(いまがわやき)

三冬今川焼き

円形の型に生地を流し入れて焼き、中に小豆の餡を包んで打ち返して焼き上げたもの。
地域や店によってさまざまな呼び名がある。

太鼓焼(たいこやき)、巴焼(ともえやき)、義士焼(ぎしやき)、今川焼屋(いまがわやきや)

鯛焼(たいやき)

三冬たい焼き

鯛の形をした鉄の金型の中に生地を流し込み、小豆の餡を包み込んで焼き上げたもの。
日本ならではのお菓子である。

鯛焼屋(たいやきや)
この記事を書いた人
こよみ

このサイトではテーマごとに季語を集め、画像とともに一目でわかりやすいようにまとめました。季語の持つ多彩な魅力をぜひお楽しみください。

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