今日の季語 2月10日
遅春(ちしゅん)、春遅し、遅き春
初春
立春(二月四日ころ)が過ぎても、なかなか暖かくならないこと。
暦の上ではすでに春になったにもかかわらず、気温は低く北風は冷たく、雪国などでいつまでも雪に覆われていたり湖や沼は氷に閉ざされていて、あたたかな日が来ないこと。
春の到来を切実に待ち望む気持ちがこもった語である。
同じように春を待ち望む思いを込めた季語に、「春待つ、待春(たいしゅん)」がありますが、こちらは冬の季語となります。
「遅春」の傍題: 春遅し(はるおそし)、遅き春(おそきはる)、春遅々(はるちち)、おそ春
- わが快き日妻すぐれぬ日春遅々と 富安風生
- 春遅し泉の末の倒れ木も 石田波郷
- 春遅々とたためる傘の滴れり 蓬田紀枝子
- 春遅し低山とても迫る信濃 大野林火
- この村の瀬音に春の遅れをり 亀井糸游