春の夕

月と大木
マジックアワーという言葉があります。

写真を撮る方ならよく聞く言葉だと思いますが、夕方、太陽が地平線に沈んだ後の少しの時間、まだ明るさが残って空が美しい色のグラデーションに染まる時間帯です。

あっという間に過ぎてしまいますが、本当に美しい瞬間を見せてくれます。

この写真はそんな時、太陽が沈んで月が明るく見えだした頃に撮りました。

冬の終わり、春に差し掛かる頃、気象条件によってこのような空のグラデーションを見ることができます。

落葉した柿の大木がシルエットで浮かび上がり、存在感を出してくれました。

季語「春の夕(はるのゆう)」は、春の夕方、空を赤く染めて沈む夕日のころ、そして地平線に太陽が沈んでからもしばらく続く薄絹をかけたような薄明のころをいうとあります。

清少納言は枕草子で「秋は夕ぐれ」と賛美しましたが、それに対して春の夕べの風情をたたえたのが、有名な後鳥羽上皇の歌

「見渡せば山もと霞む水無瀬川夕は秋と何思ひけむ」

です。

季節によってそれぞれ違った味わいのある夕べの時間帯。

その風情を感じられる、ほんの少しの貴重な時間を楽しみにしています。

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