夏の風の季語

風鈴と涼風
日本の夏は、初夏・梅雨・盛夏の三つの時期に分けられます。

五月晴れの初夏の風は、さわやかに緑の中を吹き渡ります。

六月は北のオホーツク海高気圧と、南の太平洋高気圧がぶつかり合うことによって、梅雨前線が生じ、日本列島は次々に梅雨入りします。

梅雨空の下、黒南風(くろはえ)が吹き長雨が続きます。

そして南の太平洋高気圧が勢力を強め、梅雨前線は徐々に北上し、白南風(しろはえ)が吹き梅雨明けとなります。

七月には本格的な夏の暑さが訪れ、気温が上がった日の夕方にはにわかに空が曇り、夕立に見舞われるようになります。

今回は夏の風の季語を集めました。

季節の移り変わりによる風の違いを感じながら、俳句を詠む際にぜひ参考になさってください。

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時候

六月風(ろくがつかぜ)

仲夏
紫陽花
夏の季語「六月」の傍題。

若葉輝く五月と、本格的に暑くなる七月の間の六月は、梅雨入りの知らせが全国から聞かれるようになる。

この頃には、黒南風(くろはえ)という雨気を含む風が梅雨空に吹き渡る。

同じく「六月」の傍題
六月来る
  • 六月を奇麗な風の吹くことよ 正岡子規
  • 六月の風にのりくる瀬音あり 久保田万太郎

夏至夜風(げしよかぜ)

仲夏
ホタル
夏の季語「夏至」の傍題。

二十四節気のひとつ、夏至は芒種のあと15日目で、6月21、22日頃にあたる。
太陽は最も高くなり、一年で一番、日が長くなる時である。

梅雨の期間にあたるので、吹く風も湿っている。日中の暑さから気温も下がった夜に吹く風で、独特の風情がある。

同じく「夏至」の傍題
夏至の日、夏至の雨、夏至の夜、夏至白夜(げしびゃくや)
  • 池水のにほひに夏至の夜風かな 武田鶯塘

風待月(かぜまちづき)

晩夏
明月院の紫陽花
夏の季語「水無月(みなづき)」の傍題。

同じく水無月の傍題
常夏月(とこなつづき)、青水無月(あおみなづき)
  • 水無月の限りを風の吹く夜かな 闌更

涼風(りょうふう)、涼風(すずかぜ)

三夏
新緑とベンチ
夏の季語「涼し」の傍題。

暑い夏のさなかに、風や木陰、風鈴の音などから感じられる涼しさはひとしお快い。

炎暑の中でこそ涼しさを最も欲するので、「涼し」は夏の季語となっている。

同じく「涼し」の傍題
涼気(りょうき)、涼味(りょうみ)、夏のほか、夏のよそ、朝涼(あさすず)、夕涼(ゆうすず)、晩涼(ばんりょう)、夜涼(やりょう)、宵涼し(よいすずし)、涼夜(りょうや)、微涼(びりょう)、涼雨(りょうう)、水涼し(みずすずし)、露涼し(つゆすずし)、燈涼し(ひすずし)、庭涼し(にわすずし)、影涼し(かげすずし)、鐘涼し(かねすずし)、月涼し(つきすずし)
天文に分類されている、同じく夏の季語「涼風(すずかぜ)」もあります。
  • 涼しさや風取り替る出帆入帆 船歩

天文

夏の風(なつのかぜ)

三夏
セミ
夏に吹く、南あるいは東南からの普通の風を指す。

特別強い風の場合は「夏嵐」という。

夏嵐(なつあらし)、夏風(なつかぜ)
  • 夏風や粉糠だらけな馬のかほ 来山
  • 夏嵐机上の白紙飛びつくす 正岡子規
  • 夏の風二日の旅の海の音 三好達治

南風(みなみ)

三夏
岩手の海岸
南寄りの夏の季節風で、関東以北の太平洋沿岸部の言葉。
南からの風なので暖かく、よく吹き続ける傾向がある。

強風になると「大南風(おおみなみ)」という。

南吹く(みなみふく)、南風(みなみかぜ)、南風(なんぷう)、正南風(まみなみ)、大南風(おおみなみ)
  • いや白きは南風つよき帆ならむ 大野林火
  • 海女葬る砂丘の南風夕なぎぬ 西島麦南
  • 南風や故郷を恋へるギリシャ船 野見山朱鳥

はえ

三夏
瀬戸内海の漁船
同じ南風のことを、近畿以西、九州、沖縄、山陰地方などでは古くから「はえ」と呼んだ。

真南から吹いてくる風を「正南風(まはえ)」、南東の風を「南東風(はえごち)」、南西からの風を「南西風(はえにし)」という。

穏やかな風で、船乗りには良いとされる順風である。

南風(はえ)、正南風(まはえ)、南東風(はえごち)、南西風(はえにし)
  • 南風の町鍛冶の鞴火(ふいごび)道ばたに 大橋櫻坡子
  • 夕月のたちなほりたる南風の浦 小川鴻翔

まじ

三夏
弓ヶ浜の海岸
南または南西よりの、湿気を含んだ穏やかな夏の季節風。

鳥羽、伊豆の船詞(ふなことば)とされる言葉で、瀬戸内海、日向から伊豆、八丈島の太平洋沿岸で用いられる呼び名である。

太平洋岸では強く吹き雨を伴いやすいので、航海にはよくないとされる。

まぜ
  • 地の闇を這ひなく猫や夜の南風(まぜ) 原石鼎

くだり

三夏
南風の別名で、主に日本海沿岸、北陸地方などで用いられる。

昔、京都が都だった頃に、京都から下っていく方向の風という意味でつけられた。
また、反対方向に吹く風を「のぼり」と呼んだ。

その土地からみて京都の方向を基準にした呼び方なので、土地により風向は異なる。

ひかた

三夏
日のある方(かた)から吹いてくる風、という意味で名付けられた。
山陰地方を中心にして、北九州から青森にかけて、夏の季節風を指す言葉である。

島根では南風、石見地方では南東風、山口、福岡では東風、能登以北では南西風のことを指す。

この風が吹くときは天気が良く海も穏やかなので、航海には良い風とされる。
津軽地方では意味が転化し、雨を誘う暴風として使われるようになった。

しかた

あいの風

三夏
田園風景
日本海沿岸に四月から八月頃まで吹く風。
山陰では東または北東の風、より北では北または北西の風のことを指す。

万葉集では「東風(あめのかぜ)」といわれた古語である。

あえの風
  • 能登人があい吹くといふ日和かな 村山古郷
  • たまはりし矢立だいじにあいの風 柏禎

やませ

三夏
北海道
夏に北海道や東北地方に吹く、冷たい北東または東からの風。
(もともとは初夏に山並みを越えて直角に吹きおろす風を指す言葉であった。)

冷たい北のオホーツク海高気圧が発達して三陸沖にまで広がると、北日本にやませが吹きつける。

しばしば吹き続くことを「七日(なぬか)やませ」と呼ぶ。
冷害をもたらす風として恐れられた。

同じ「やませ」という名でも北陸では秋の風、山陰地方では冬の風を指す言葉となっている。

山瀬風(やませかぜ)、山背風(やませかぜ)

だし

三夏
夏の季節風が、脊梁山脈(せきりょうさんみゃく…分水嶺となるほどの大きな山脈)を越えて、陸から海へ吹きおろす風。
いわゆるフェーン現象で、乾燥し高温をもたらす。

いく日も吹き続くのを「七日(なぬか)だし」という。
地域によって風向きは異なる。

航海に良い風といわれ、船を出すのに適していることから「だし」という名がついた。

七日だし、だし雲

いなさ

仲夏
関東地方で用いられる風の名で、台風の季節に、南東から吹いてくる強風。
海南を起こす風として恐れられてきた。

黒南風(くろはえ)

仲夏
曇り空
「はえ」とは南風のことで、梅雨の時期に、暗い梅雨空を吹く南風のことを「黒南風(くろはえ)」という。

伊豆・鳥羽地方の船詞(ふなことば)でもある。
また、梅雨半ばの強い南風を「荒南風(あらはえ)」という。

くろばえ、荒南風(あらはえ)
  • 和歌の浦あら南風鳶を雲にせり 飯田蛇笏
  • 黒南風に水汲み入るゝ戸口かな 原石鼎
  • 黒ばえの宇治の山裾鷺渡る 野村泊月

白南風(しろはえ)

晩夏
青空と草原
梅雨が明けて本格的な夏になり、明るく晴れ渡った空に吹く南風または南東の風のこと。

しろばえ、しらはえ
  • 白南風の夕浪高うなりにけり 芥川龍之介
  • 白南風の雲間一縷と一塊と 皆吉爽雨
  • 白南風や雲を走らす開聞岳 袖田迪子

ながし

仲夏
梅雨の頃に吹く南風のことで、「ながし南風」ともいい、九州地方では梅雨そのものにもいう。
湿気が多く蒸し暑い。

ながし南風(ながしはえ)
  • 葦咲いて蜑(あま)の通い路ながし吹く 飯田蛇笏
  • 瀬田川の舟出はらへるながしかな 織田烏不関

木の芽流し(きのめながし)

初夏
木々の芽吹き
標高が高く寒冷な土地では、平地より遅く初夏に木々が芽吹く。
その木の芽時に吹く、あたたかく湿った南風のこと。

「流し」は、雨気、湿気を含んだ南風のことである。

茅花流し(つばなながし)

初夏
茅花流し
茅花、茅萱(ちがや)の穂がほぐれて絮(わた)状になる頃に吹く、湿った南風。

  • 日月や茅花流しの野路の空 室積徂春
  • 水の面の凹みし茅花流しかな 岸田稚魚

筍流し(たけのこながし)

初夏
たけのこ
筍の生える頃に吹く、湿った南風。

竹林の葉のそよぐ中、一斉に地面から顔を出したかと思うとあっという間に伸びる筍。
山村の生活に密着した季節の言葉である。

筍梅雨(たけのこづゆ)、筍黴雨(たけのこづゆ)
  • 筍流し簾あがれば隠れけり 長谷川かな女
  • 酔顔に筍ながし吹く夜なり 宇田零雨

麦の秋風(むぎのあきかぜ)

初夏

麦畑に渡る風

麦畑に渡る風

麦秋(ばくしゅう…麦が熟する初夏)のころ、野を吹く風のこと。

みそのふに麦の秋風そよめきて山ほととぎす忍び鳴くなり
夫木和歌抄(ふぼくわかしょう)、夏・麦 俊頼

麦嵐(むぎあらし)、麦の風
  • 地蔵堂の子等ちりぢりに麦嵐 戸川稲村

黄雀風(こうじゃくふう)

仲夏
陰暦5、6月に吹く南東の風で、この風が吹くと海の魚が黄雀になるという中国の言い伝えによる。

スズメのヒナと花

スズメのヒナ

アオジ

アオジ

マヒワ

マヒワ

黄雀とはスズメ(またはスズメのヒナ)、またはアオジのことであるが、中国語で「黄雀」というとマヒワを指す言葉となっている。

  • 鶴去って黄雀風の吹く日かな 河東碧梧桐
  • 荒庭に黄雀風の潜み居し 相生垣瓜人

土用あい(どようあい)

晩夏
夏の土用中に吹く、涼しい北風。
近畿、中国地方の船詞からきている。

おもに日本海沿岸では、北風または北東の風を「あいの風」という。
「土用あい」は、「土用半ばにはや秋の風」といわれるもので、秋の気配を感じさせる、晩夏の風である。

  • 岬の燈のまたゝき遠し土用あい 岡本圭岳

土用東風(どようごち)

晩夏
青空と雲
夏の土用中に吹く、東風。
青空に吹き渡る東風から、「青東風(あおごち)」とも呼ばれる。

青東風(あおごち)
  • 道々の涼しさ告げよ土用東風 来山
  • 青東風の満ちて夜に入るふしみかな 遅柳
  • 地に落ちて柿栗青し土用東風 西島麦南

青嵐(あおあらし)

三夏
青紅葉
青葉の頃に吹き渡る、やや強い風。
南風(みなみ)が生活語なのに対し、青嵐は雅語である。

青嵐(せいらん)
  • 青嵐定まる時や苗の色 嵐雪
  • 荒磯や月うち上げて青あらし 蓼太
  • 青嵐一蝶飛んで矢より迅(はや)し 高浜虚子

薫風(くんぷう)

三夏
若葉と光
夏の南風で、新緑や青葉の香りがするような、爽やかな風。
青嵐よりも弱くやわらかい風である。

風薫る(かぜかおる)、風の香(かぜのか)、南薫(なんくん)、薫る風(かおるかぜ)
  • 松嶋や細き月より風かをる 闌更
  • 薫風やいと大いなる岩一つ 久保田万太郎
  • 薫風に心を洗ふ時を得し 伊藤柏翠

温風(おんぷう)

晩夏
陰暦の晩夏に吹く、暖かく湿った風。

小暑(7月7日頃)の初候が「温風至る」であり、梅雨明けの、太平洋高気圧からの暖かく湿った風である。

湿風(しっぷう)
「風温し(かぜぬくし)」と書くと、「温し(ぬくし)」は春の季語なので、春の風になります。

熱風(ねっぷう)

晩夏
青空と太陽
真夏に吹く、熱く乾いた風のこと。
フェーン現象によるもの、熱された舗装道路を吹いてくるものなど。

炎風(えんぷう)、乾風(かんぷう)
  • 熱風に山七面鳥を狙ひ撃つ 加藤楸邨
  • 熱風の黒衣がつつむ修道女 中島斌雄

涼風(すずかぜ)

晩夏
風鈴と涼風
七月中旬以降の晩夏になると、たまに夏の気圧配置が崩れ、大陸の高気圧から涼しい北風が吹くときがある。

晩夏の風は特にわずかでも涼しく感じられるものである。

涼風(りょうふう)、風涼し(かぜすずし)
  • 涼風や虚空にみちて松の声 鬼貫
  • 涼風や青田の上の雲の影 許六
  • 涼風や寄る辺もとむる蔓のさま 臼田亜浪

夕立風(ゆうだちかぜ)

三夏
夕立
夏の季語「夕立」の傍題。

夕立は、夏の日の午後に短時間に激しい雨を降らせ、多く雷も伴う。
夕立の時の風を、夕立風という。

御祭風(ごさいかぜ)

夏の土用半ば頃に、一週間ほど連続して吹き続く北東の風

長瀬風(ながせかぜ)

東南から吹いてくる夏の冷たい風で、凶作をもたらすといわれる。

節の西風(せつのにしかぜ)

田植え
田植えの季節にある西風

朝凪(あさなぎ)

晩夏
夏は昼と夜の気温差により、昼は海から陸へ風が吹き、夜は陸から海へ向かって吹く。

これを海風・陸風といい、朝と夕に海風と陸風が入れ替わる時、風がほとんどなくなることを、朝凪・夕凪という。

朝凪ぐ(あさなぐ)
  • 朝凪のいかなご舟に波送る 殿村菟絲子
  • 朝凪の海見てこころ足りにけり 井上喬風

夕凪(ゆうなぎ)

晩夏
夏は昼と夜の気温差により、昼は海から陸へ風が吹き、夜は陸から海へ向かって吹く。

これを海風・陸風といい、朝と夕に海風と陸風が入れ替わる時、風がほとんどなくなることを、朝凪・夕凪という。

瀬戸内海沿岸や長崎の、夏の夕凪は有名で、堪えがたい暑さにみまわれる。

夕凪ぐ(ゆうなぐ)
  • 夕凪や浜蜻蛉につつまれて 臼田亜浪
  • 夕凪や島にとろりと灯のつきぬ 大野きくほ

土用凪(どようなぎ)

晩夏
夏の土用の間、全く風がない日があり、これを土用凪という。

  • 岩をうがちて生簀つくるや土用凪 武田鶯塘

風死す(かぜしす)

晩夏
夏の真っ只中に風がぴたりと止み、息苦しいような堪えがたい暑さを感じる時があるが、こんなときを風死すという。

朝凪、夕凪、土用凪のような場合である。

  • 風が死し草々も死を装へり 相生垣瓜人

地理

青田風(あおたかぜ)

晩夏
青田風
夏の季語「青田」の傍題。
青田は、田植えを終えた田で、苗がのびて、青々としている田のこと。そこを吹き渡る風のことを青田風という。

同じく青田の傍題「青田波(あおたなみ)」は、風で稲の苗が波のようにそよぐことである。

同じく「青田」の傍題
青田面(あおたも)、青田波、青田道、青田時(あおたどき)、青田売(あおたうり)
  • 朝起の顔ふきさます青田かな 惟然
  • 背戸の不二青田の風の吹過る 一茶
  • 空と山画然として青田風 原コウ子

滝風(たきかぜ)

滝
滝が流れ落ちる時に生じる風。

生活

風通し(かざとおし)、風通り(かざとおり)

三夏
座敷
夏の季語「襖はずす(ふすまはずす)」の傍題。

日本家屋は夏をしのぎやすくする工夫がこらされている。盛夏には襖や障子をはずして風通しをよくする。
この状態を「夏座敷」といい、簾をつるしたり、風鈴を下げたりして少しでも涼しくなるようにするのである。

  • 風通しよし西洋の弥次郎兵衛 久保田万太郎

扇(おうぎ)

三夏
扇、扇子
扇は舞や儀式にも用いられるが、夏に涼しくするためにあおいで使うものとしての扇が、夏の季語となっている。

末広がりの形から、末広(すえひろ)とも呼ばれる。

扇子(せんす)、白扇(はくせん)、絵扇(えおうぎ)、絹扇(きぬおうぎ)、小扇(こおうぎ)、古扇(ふるおうぎ)、扇売(おうぎうり)、扇使い(おうぎつかい)、扇店(おうぎてん)、末広(すえひろ)、扇の要(おうぎのかなめ)
  • 富士の風や扇にのせて江戸土産 芭蕉
  • 初扇かはせみの句のひらかれし 百合山羽公

団扇(うちわ)

三夏
うちわ
扇と同じくあおいで風を起こすものだが、団扇はより家庭的でくつろいだ感じのものである。

渋団扇(しぶうちわ)は表面に柿渋を塗った団扇で、火をおこしたり、魚を焼く火を仰いだりするのに用いる。

また前年使用した団扇を古団扇(ふるうちわ)という。

団(うちわ)、白団扇(しろうちわ)、絵団扇(えうちわ)、絹団扇(きぬうちわ)、渋団扇(しぶうちわ)、水団扇(みずうちわ)、奈良団扇(ならうちわ)、京団扇(きょううちわ)、岐阜団扇(ぎふうちわ)、深草団扇(ふかくさうちわ)、古団扇(ふるうちわ)、団扇掛(うちわかけ)、団扇売(うちわうり)
  • 月に柄をさしたらばよき団扇かな 宗鑑
  • 月明の畳にうすき団扇かな 原石鼎
  • 父に似て白き団扇の身に添へる 渡辺水巴

扇風機(せんぷうき)

三夏
扇風機
クーラーが普及しても、手軽に風をおこせる扇風機は併用されることも多い。

大きな室内では天井に取り付けられていることもある。

  • 扇風機止めれば雨の音のまた 久保田万太郎
  • 妻と子の同じ本読む扇風機 久米三汀
  • 扇風機厨に移しサラダ盛る 井沢佐江子

風鈴(ふうりん)

三夏
風鈴
鉄、ガラス、陶器などで作った鈴で、中にある舌に短冊を吊るし、風が当たると涼しげな音を出すもの。

風鈴売(ふうりんうり)
  • 風鈴の音を点ぜし軒端かな 高浜虚子
  • 風鈴の空は荒星ばかりかな 芝不器男
  • 風鈴の処に風のありにけり 藤田耕雪
  • 鉄壁の心の隙に風鈴鳴る 加藤楸邨

植物

若葉風(わかばかぜ)

初夏
新緑と光
夏の季語「若葉」の傍題。

初夏の新鮮でみずみずしい若葉。木の種類によって微妙に色合いの違う緑色がある。
その若葉の季節に吹く風のことを、若葉風という。

  • 吹きあらはるる巌の大きさ若葉風 吉田冬葉
  • 湯つかれを若葉の風に寝たりけり 五百木瓢亭
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