紅葉に関する季語・木の名前、樹種編

紅葉

紅葉する木々の名前の季語を集めました。
樹の種類ごとに写真を添えて説明しています。

紅葉狩りに行くときにも、木の種類を見分けられたらまた楽しさが広がりますね。

紅葉に関する季語はこちら

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紅葉する主な樹の種類

楓(かえで)

イロハカエデ

イロハカエデ

晩秋
紅葉といえば見事に鮮やかな紅に染まる楓が代表的。
紅葉を詠んだ歌の多くは楓であるといわれる。
京都の高尾に多いことから、高尾紅葉(たかおもみじ)、高尾楓ともいう。

葉は五裂または七裂していて、ふちはギザギザの鋸葉になっている。
形が蛙の手に似ていることから、「かえるで」といった。

中でも日本で最もよくみられるイロハカエデは、その裂片を「いろはにほへと」と数えたことに由来する。

もみじ、かえるで、高尾紅葉、高尾かえで、いろはかえで、山紅葉、縮緬かえで(ちりめんかえで)、きれにしき、羽団扇かえで(はうちわかえで)、名月かえで、麻の葉かえで、板屋かえで、唐かえで、嶺かえで、三つ手かえで、一つ葉かえで、楓紅葉(かえでもみじ)、紅楓(こうふう)

楓橋は知らず眠さは詩の心 支考
紅楓探し南し西す水の隈 几董
楓橋の乏しき水に筏かな 島田五空
沼楓色さす水の古りにけり 臼田亜浪
散る前のしるけきひかり夕楓 廻冨士野

柏黄葉(かしわもみじ)

柏黄葉晩秋

柏はブナ科の落葉高木。葉は柏餅に用いられる。
見事に黄葉するので名木紅葉(なのきのもみじ)のひとつに数えられる。

漆紅葉(うるしもみじ)

ツタウルシの紅葉

ツタウルシ

晩秋
漆をとるための漆の木だが、紅葉といえば山に自生する山うるし、蔦うるしをさすことが多い。
触れると皮膚がかぶれるので要注意。

美しく紅葉した葉の裏は黄色になる。

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櫨紅葉(はぜもみじ)

ハゼモミジ晩秋

主に関東以西に自生するウルシ科の落葉高木。
「蠟の木」とも呼ばれ、熟した白い果実から和ろうそくの原料となる木蠟(もくろう)を採った。

銀杏黄葉(いちょうもみじ)

黄葉晩秋

黄葉する木々の中でも代表的なのが銀杏。
銀杏並木では全体が見事に黄色く染まり、扇型の黄色の葉が一面に落ちてゆく。

錦木(にしきぎ)

ニシキギ晩秋

ニシキギ科の落葉低木。山野に自生する。
枝にコルク質の翼が四方につき、葉は楕円形。

五月ごろ、黄緑色の小花が咲き、実は熟すと真っ赤になる。
秋には葉が見事に赤く染まる。庭木に多く植えられる。

世界三大紅葉樹のひとつになっている。

鬼箭木(にしきぎ)、錦木紅葉、錦木の実
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桜紅葉(さくらもみじ)

桜紅葉仲秋

ほかの木々よりいち早く紅葉し、散りはじめる。

桜の落ち葉

桜の落ち葉

紅葉の色も橙色から黄色のグラデーションや虫食いの跡などがあり、表情豊かな趣を見せる。

柞紅葉(ははそもみじ)

クヌギの黄葉

クヌギの黄葉(右はハナミズキ)

晩秋
ブナ科の落葉高木。
「柞(ははそ)」とは、コナラ、ミズナラといった楢(なら)の木、またクヌギも含めた総称。
見事な黄色や赤に染まる。

クヌギのどんぐり

クヌギのどんぐり

楢紅葉(ならもみじ)

柿紅葉(かきもみじ)

柿紅葉晩秋

柿の実が赤く熟してくるとともに、葉も色づいてくる。
葉の表面はつややかで、赤、黄、緑の斑点など混じり合い、その模様も楽しめる。

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梅紅葉

梅紅葉晩秋

緑から黄色、明るい赤色へと紅葉していく。

ななかまど

ナナカマド晩秋

バラ科の落葉高木。七月ごろ小さい白い花をたくさんつけ、そのあと真っ赤な実になる。
晩秋の紅葉も燃えるような赤に染まる。
その木材は堅く燃えにくいので、かまどに七回入れても炭にならないという意味でこの名がついた。

七竈(ななかまど)、野槐(ななかまど)、ななかまどの実

その他、草木の種類

白膠紅葉(ぬるでもみじ)、合歓紅葉(ねむもみじ)、満天星紅葉(どうだんもみじ)、葡萄紅葉、白樺黄葉、薄紅葉(すすきもみじ)、櫟紅葉(くぬぎもみじ)、蔦紅葉(つたもみじ)、蓼紅葉(たでもみじ)
ドウダンツツジの紅葉

満天星紅葉(ドウダンツツジの紅葉)

紅葉する草の季語

草紅葉(くさもみじ)

草紅葉晩秋

秋も深まると、木々の葉だけでなく草の葉もさまざまな色に染まる。
本格的に霜が降りて枯れてしまうまでの間、薄霜が朝日に溶けて露が宿る草紅葉の風情ある姿が見られる。

草の紅葉、草の錦、色づく草

水草紅葉(みずくさもみじ)

水草紅葉晩秋

木の葉、草だけでなく、水田や沼、湖に浮く水草の葉も徐々に色づく。

萍紅葉(うきくさもみじ)、菱紅葉(ひしもみじ)

植物編まとめ

木の名前すべては覚えられなくても、葉の形や大きさ、色の違いや色づき具合など、さまざまなバリエーションの紅葉を見られるのも紅葉狩りの楽しみのひとつ。

春の芽吹きから、青々とした葉になり、秋には赤や黄に染まり、枯れて散ってゆく…
一年という葉の一生に想いを馳せながら、紅葉の時期を味わってみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
こよみ

このサイトではテーマごとに季語を集め、画像とともに一目でわかりやすいようにまとめました。季語の持つ多彩な魅力をぜひお楽しみください。

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