単に「夕焼」といえば夏の季語となりますが、それぞれの季節の夕焼けは何というのでしょうか。
今回は夕焼けに関する季語をまとめてみました。
俳句を詠む際にぜひ参考になさってください。
春
春の夕焼け(はるのゆうやけ)
三春
春夕焼(はるゆうやけ、はるゆやけ)、春茜(はるあかね)
春夕焼へ遠き鶴嘴(はし)そろひ落つ 加藤楸邨
誰恋ふとなく庭にあり春夕焼 勝又一透
春夕焼千羽のひなの荷をひらく 児玉仁良
夏
梅雨夕焼(つゆゆやけ)
仲夏
夕焼(ゆうやけ)
晩夏
ゆやけ、夕焼雲(ゆうやけぐも)
夕焼や生きてある身のさびしさを 鈴木花蓑
夕焼は膳のものをも染めにけり 富安風生
夕焼に外燈かぎりなく古ぶ 野沢節子
秋
秋の夕焼け(あきのゆうやけ)
三秋
秋夕焼(あきゆうやけ、あきゆやけ)
鷺たかし秋夕焼に透きとほり 軽部烏頭子
秋夕焼わが溜息に褪せゆけり 相馬遷子
秋夕焼映る路傍の水またぐ 猿山木魂
冬
冬夕焼(ふゆゆうやけ)
三冬
冬茜(ふゆあかね)
寒夕焼(かんゆうやけ)、寒茜(かんあかね)…寒の内(小寒、大寒の期間)一ヶ月間の、一番寒い時期の夕焼。
冬夕焼空に森あり牧場あり 石田あき子
寒夕焼暮れゆく富士を引きとめて 八木沢高原
寒夕焼運河をそめて昏らかりき 塚原麦生
寒夕焼釘ひとしきり打ちて止む 不破博